一般質問【令和6年6月定例月議会】

令和6年6月定例月議会 一般質問を行わせていただきました。

今回は4問。(リンクから質問のやりとりが見られます。)

1.自治会運営について

自治会運営の業務効率化に、ICT利活用していくとのことだが、もっと積極的に地域に働きかけないと、進まないと思います。

 

2.子どもの居場所づくり支援について

枚方市は44校区すべてに子ども食堂を作りたいと考えていますが、そのためのサポートは出来ているのか?ちゃんとニーズを把握しているのか?

 

3.学校園における保護者の負担について

PTAを解散した地域があるんだけど・・・

 

4.地域の防災力について

能登半島地震で活躍した消防団。すごく期待してるけど、災害時の消防団の動きや、避難所との連携は?

           

1.自治会運営について

【Q1】

自治会の運営については様々な課題があり、私はこれまで、自治会運営の負担軽減、地域での情報共有の効率化と迅速化を図るため、ICTの活用を進めていくべきと訴えてまいりました。昨年12月の定例月議会では、枚方市コミュニティ連絡協議会において、情報共有のICT化を段階的に進めるにあたり、地域においてICT化を普及する推進員を置き、2月に推進員育成のための研修会を開催するとのご答弁をいただきました。研修会の具体的な内容についてお伺いします。

 【A1】

2月に枚方市コミュニティ連絡協議会において「ICT推進員育成研修会」を開催し、21校区合計49人の方が受講されました。研修会のプログラムとしましては、現在、校区コミュニティ協議会や自治会で段階的に進めているLINEを活用した情報共有の仕組みやICT推進員の心構え、情報セキュリティに関する講義など、地域における情報共有のICT化に役立つ内容で、受講後のアンケートでは、約80%の方から参考になったという回答がありました。

 

【Q2】

49人の方がICT推進員育成研修会を受講したとのことですが、研修会をきっかけとして、今後、地域における情報共有のICT化をどのように進めて行かれるのか、お伺いします。

 

【A2】

ICT推進員の役割としましては「地域内で情報共有のICT化の取組のサポート」「ICTを運用するための地域内でのルール作りのサポート」「高齢者等スマホ操作に不慣れな方へのLINE等のアプリの操作の援助・アドバイス」をお願いしており、校区コミュニティ協議会会長と連携しながら、地域におけるICT化の普及に向けて取り組むこととしています。

今後は、ICT推進員育成研修会を定期的に開催するとともに、地域におけるICT化の状況を把握するため、推進員の方にアンケートを実施し、その結果を踏まえながら、ICT化の普及に向けて取り組んでまいります。

【Q3】                                    

 次に、自治会の運営については様々な課題があり、私のところにも自治会の課題をどのように解決してよいのかわからないとの相談もいただいています。そこで、情報共有を含め、あらゆる自治会運営の課題解決に役立つよう、他市の状況を調べたところ、八尾市では「自治会の運営・活動のガイドライン お悩み解決ヒント集」という冊子を作成しており、自治会加入促進や役員の負担軽減などの事例が掲載されています。本市においてもこのような冊子を作成されてはどうかと考えますが、見解をお伺いします。

【A3】

本市では、現在、枚方市コミュニティ連絡協議会と連携し、自治会の基礎知識や市の支援制度、自治会の運営に役立つ事例などを掲載している、自治会運営ハンドブックを作成しており、市民活動課での配布や市ホームページで公開しています。

今後、議員お示しの八尾市などの事例を参考にしながら、ハンドブックの改訂に取り組んでまいります。

【要 望】                                    

 八尾市以外でも埼玉県入間市では、自治会の現状を分析し、自治会の課題解決に向けた糸口となる情報をまとめて市ホームページ上で公開していますので、そういった事例も参考にしながら、作成していただくことを要望します。

今後は、ICTの導入を行った際に、どのようなことが考えられるのか、シミュレーションを行い、自治会がICT導入を検討する際の目安を作っていただきたいと思います。

たとえば、実際に、自治会でLINEを活用した電子回覧板を導入した場合を想定したメリット・デメリット。

LINEが使えない人がどれくらいの割合でいるのか

その方々に回覧版を直接渡すならどれくらいの手間が必要で、郵送ならどれくらいの経費が必要になるのか、それと比べても電子回覧板の方は、メリットが多いのかなどシミュレーションが必要です。

また、LINE以外にも、最近、キャッシュレス決済サービス会社が、全国の自治会、町内会との契約受付を開始し、自治会、町内会費の集金や、自治会によるお祭りなどのイベントでキャッシュレス決済での支払いが可能になったとのことで、自治会運営業務の軽減につながるサービスも出てきています。

ICTを導入するにあたり、校区や自治会が判断できる材料をしっかり作っていただきたいと思います。

また、岐阜市では、自治会への加入率が53.7&まで減少し、地域コミュニティが維持できなくなることを防ぐために、自治会活動を手助けする専従の「地域支援職員」を2名が配置し、業務のサポートを行う取り組みが進んでいます。

本市でも、毎年1%ずつ加入率が減っています。このまま加入率の減少が進むと、地域コミュニティ、自治会の維持が困難となり、地域防災力の低下にもつながっていきます。

 これは、容易に想像できることであり、対策を行わなければ、時間の問題です。専従の地域担当職員制度も含めて、早急な対策を検討するよう要望いたします。

 

2.子ども居場所づくりへの支援について

【Q1】                                    

「子ども食堂と地域が連携して進める食育活動事例集」という農林水産省の報告によれば、子ども食堂の運営についての課題は、「参加者の確保」、「資金の確保」、「場所」、「連携」などに集約されるようです。

現在、本市には23の子ども食堂がありますが、一部の子ども食堂から、食材の保管場所が足りない、保管場所があっても子ども食堂まで食材を運ぶ足が無い、運営資金が不足していると、いった問題が存在していると聞いています。

本市の目標は、全小学校区に子ども食堂を設けることで、令和6年度の市政運営方針では「補助制度を拡充し、食事提供を増やす」と明記されています。しかし、これを効果的に進めるには、現在の子ども食堂が抱える課題や、ニーズをきちんと理解し、それに基づいた制度を考える必要があると思います。

そこで、現在のところ、子ども食堂の運営などに関するニーズを十分に把握されているのか、また、今年度は、補助制度をどのように拡充されたのか、お聞きします。

 

【A1】

 子ども食堂に関するニーズについては、毎年アンケート調査を実施しているほか、情報交換会や定期巡回を通じて、現場の状況や課題の把握に努めているところです。運営に関しては、さらなる具体的な課題の把握が必要と考えられることから、新たなニーズ調査の実施も含め、検討してまいります。

今年度は、より多くの食事提供に対応できるよう、40食以上提供する団体に対し、1回につき10,000円という新たな補助区分を設置いたしました。

 

【Q2】                                    

 次に、2.子ども居場所づくりへの支援について、2回目の質問をいたします。

今年度は、より多くの食事提供に対応できるよう、補助制度を見直したとのことですが、今後においてもしっかりと団体の運営状況、ニーズを把握いただき、補助対象の項目を拡大など、柔軟性を持って、必要な取り組みにつなげていただきたいと思います。

 

ところで、他市の子ども食堂では、食事だけでなく、学習支援やeスポーツなどを提供し、子どもたちに安心して過ごせる場所を確保する活動がなされています。本市でも食事と学習支援を手掛ける子ども食堂があると聞いています。学習支援を効果的に行うためには大学生や大人など支援者の協力が必要です。しかしながら、実際には、実施団体が自力で支援者を確保することが困難なケースもあると思います。

そこで、本市としては、どのような形でこれらの団体や学習支援を支えているのか、具体的な支援策などについてお聞きします。

 

【A2】

本市では、子ども食堂を食事の提供だけではなく、学習支援その他交流の場としても位置づけており、本市のホームページや様々な施設でリーフレットを配布することで、学習支援ボランティアの募集を呼び掛けています。また、学生をはじめ様々な方々からの関心や問い合わせがあった際には、子ども食堂運営団体と直接つなげるなど、両者のマッチングをサポートしております。

【Q3】                                    

 子ども食堂における学習支援の機運や持続性を高めるには、1人でも多く支援ボランティアを増やすことが必要と考えますので、大学生から大人、高校生など、可能な限り広く募集を呼び掛けるとともに、周知方法についても創意工夫いただくよう、お願いしておきます。

また、本市では、児童・生徒の学習指導に対する支援活動を行うために、大学生や元教職員等のボランティアを募集する事業として、「まなびングサポーター事業」があります。

「子どもの居場所づくり推進事業」として、独自にボランティア募集を行うよりも、すでにある児童生徒の学習支援事業を、子ども食堂支援まで拡大することができれば、課題の解消につながるのかと思いますので、教育委員会とも連携し、支援拡大を検討いただくよう要望いたします。

さて、先ほど答弁いただいたように、今年度から新たな補助区分を追加されたとのことですが、それにもかかわらず、運営費の負担に対して課題を感じている子ども食堂もあると聞いています。

このような中、子ども食堂が安定的に運営していくためには、今の本市からの補助金だけでは不十分だと思います。そうした中で、個人や団体から食材などの寄附があると聞いていますが、どのような状況なのかお聞きします。

 

【A3】

 子ども食堂に対する支援については、例えば、「大阪府子ども食堂における食の支援事業」では、府内で子ども食堂を運営している団体に対して缶詰やレトルト食品といった食品セットを提供されています。また、民間企業や財団等からの金銭的な支援のほか、食材の寄付申し出やフードドライブからの提供があり、本市では、これらの支援を運営団体へ取り次ぎを行っております。

 

【要望】                                   

 子ども食堂への食材などの寄附が行き届いていることには安堵していますが、例えば、「ふるさと納税制度」を活用して寄附を募るなど、さらなる支援策の充実が必要だと思います。子ども食堂が運営資金等の問題に直面しないよう、持続可能な運営が可能となるような方法を探っていただくよう、お願いしておきます。

さて、全国的に取組みが広がる子ども食堂。その内容は団体によってさまざまです。

ある子ども食堂では、子どもたちが食事前に30分、地域の掃除を行い、それに対してお礼として食事提供する形をとっているそうです。これにより地域の方々の理解や協力が広がっているとか。

子どもの視点に合わせれば、すべてが学びです。そして地域への貢献、助け合いを学ぶこと、達成感など、心の発育に繋がります。食育の観点だけでなく、子ども食堂を通して学ぶことは、いくらでもあるのです。

そんな子どもの学びの場所でもある、子ども食堂を維持しつづけること、その苦労は計り知れないものです。子ども食堂に関わる、地域の、多くの皆さんのやりがいが、そこなわれることがないよう、子ども食堂のニーズ把握をしっかり行い、常に柔軟性を持って、支援制度のブラッシュアップを図るよう、要望いたします。

 

3.学校園における保護者の負担について

【Q1】                    
 
 共働き世帯が増加する中、PTA活動が、保護者の大きな負担となっているといった相談も受けることがあり、学校の教育活動における保護者の負担が課題であると認識しております。
 私は、令和4年12月議会において、学校におけるPTA活動の具体的な課題について、ご質問させていただき、教育委員会より「仕事や子育てを行いながらPTA活動へ参加することへの負担感による役員の担い手不足やPTA活動に対する理解不足など、継続的な課題があることを認識している」とのご答弁がありました。
 そんな中、小学校2校で、PTAが解散されたと聞きました。
 そこで、PTAが解散された小学校では、PTAの担っていた役割をどのように行っているのか、お伺いします。

【A1】
 PTAでは、登校時における見守り活動などの児童・生徒の安全確保や運動会などにおける受付など学校行事への協力、また、各種委員会活動などがあります。
PTAが解散された小学校では、このような様々な活動を、学校において調整を図った上で、保護者との連携・協力のもと、引き続き行えるようにしております。

【Q2】                                    
PTAが解散した小学校では、PTAが担っていた役割を学校が調整の上、学校と保護者が担っているとのことですが、学校や教職員の負担は増加していないのかお聞きします。

【A2】
 学校や教職員の負担につきましては、この間、教育委員会と学校で情報共有する中で、保護者への情報発信、協力依頼や協力依頼等を行うための事前調整、また、保護者からの意見の聞き取りなど多少の負担は増えているものの、教育活動に支障は生じていないことを確認しております。

【Q3】                                    
 PTAが解散した小学校では、学校から、保護者に対し情報発信や協力依頼をされているとのことですが、逆に、保護者の意見を集約できる仕組み、例えば、保護者会などは設置されているのか、具体的にお伺いします。


【A3】
 PTAが解散した小学校2校の内、1校は教育活動に協力していただける保護者を募集し、保護者会が立ち上がっており、保護者会を中心に、意見交換をされています。
 また、もう1校については、現在、保護者の意見集約の仕組みについて、学校と保護者の有志で検討されているところです。


【要望】                               
本市でもPTAを解散した校区があるということで、私のところには、保護者から、PTAが無くなることで学校や地域で問題が生じるのではないか、という懸念の声が寄せられてきました。
しかし、これまでの答弁からは、PTAが解散された地域では、保護者の皆さんの連携・協力もあり、PTAが担っていた役割が引き続き行われていること、また、教職員の負担につきましても、教育活動に支障は生じていないことが確認でき、安心しました。
今後も、学校園活動における、保護者の負担は課題です。状況を把握するためにも、保護者の声を聴く必要があると思います。
学校園に係る保護者の課題、ニーズや負担感など、しっかり洗い出しを行うために、枚方市PTA協議会と教育委員会が連携し、課題把握に努めていただくよう要望します。

 

4.地域の防災力について

【Q1】
 1月に発生した能登半島地震では、消防団が発災当初は、安否確認や避難支援、倒壊家屋からの救出救助を実施し、その後は、避難所運営の支援など、地域防災の担い手として活躍されたと聞いています。
 そこで、地震などの大規模災害時における消防団の活動について、どのように整理されているのか、まずお伺いします。

A1
地震などの大規模災害時における消防団の活動についてですが、「消防活動マニュアル」の中で整理されており、震度と団員の階級に応じて、指定場所に参集した後に、活動を展開すると定められています。
 例えば、震度5強以上の地震が発生した場合、全団員が参集し、市の災害対策本部や枚方寝屋川消防組合警防本部と連携を図りながら、「火災への対応を最優先に、や救出・救護活動、緊急消防援助隊への支援、避難誘導活動を実施する」とされております。

                                  
【Q2】
これまで、自主防災ネットワーク会議で、消防団の幹部と自主防災組織の会長とが意見交換をしていただいていると伺っていますが、大規模災害時に避難誘導が適切に実施されるためには、地域と消防団とが連携を深めることが必要不可欠です。
 実際に京都府では、災害時における円滑な避難の実現を目的に災害時避難行動円滑化事業として、地域の避難訓練の支援を消防団が行うために必要な資機材整備に対し交付金を支出して、連携の強化を側面的に支援しています。
 本市でも、連携を具体化するための、何らかの取り組みが必要ではないでしょうか、市の見解を伺います。
 

【A2】
 災害時におけるの安否確認や避難誘導については、地元に密着した消防団に強みがあることから、連携の具体化を進めるべき分野であると考えております。
 今後、地域が求める支援に対する消防団の役割について整理し、消防団の中で連携の具体化について検討していただけるよう、取り組んでまいります。
 
Q3:
 次に、発災当初の避難誘導活動から、避難所運営などに災害対応の軸足が移った場合の消防団の活動についてですが、例えば、他市の避難所開設マニュアルでは、避難所の治安の維持を消防団や自警団が担うと定めるなど、具体的にその活動内容を決めているケースもあります。
 大規模災害時には、マンパワーが不足します。消防団の力を避難所運営などでも発揮していただけるように、整理しておく必要があると考えますが、市の見解をお聞きします。

【A3】
 発災当初の避難誘導活動から、避難所運営などに災害対応の軸足が移った場合の消防団活動についても、「消防活動マニュアル」等おいて自主防災組織と連携することを盛り込んでいくことが必要であると考えております。
 今後、消防団内での議論を深めていただき、その連携内容を具体化できるよう、事務局としてサポートしてまいります。


【要望】
能登半島地震での消防団の活躍を見ていて、本市の消防団に対しても、災害時の活躍を期待される方も少なくないと思います。
 では、実際、災害時、地域でどのように動かれるのか。避難所において、連携内容は整理されていないということです。
もちろん、災害時は、地域も、消防団も状況に応じて、柔軟に対応されることでしょう。
しかし、消防団は、地域における消防防災のリーダーとして、平常時から、その地域に密着し、住民の安心と安全を守るという重要な役割を担っており、
平常時に、地域と、どれだけ連携を深められるかが、求められているのだと思います。

 先ほども京都府の事例を紹介しましたが、ほかにも、「消防団と一緒に地域で避難訓練プログラム」、と称して、避難行動要支援者に対して実働避難訓練を行うなど、地域密着で実際の避難を想定した訓練を行っています。消防団と共に避難訓練する、それは、それは心強いことだと思います。
また、京都府における消防団の活躍は、避難行動要支援者の個別避難計画の策定が進まない中、課題解決の一助になるのではと考えます。

 本市でも、京都府の取り組みも参考に、地域が期待する支援と、消防団が出来ることをしっかり整理いただき、地域と消防団の連携が進むよう、支援いただくよう要望いたします。